本校においては,平成17年度に県の道徳教育研究指定を受け,全教育活動における道徳性の育成をめざしさまざまな研究に取り組んできました。
 また,平成18・19年度は文部科学省の研究指定を受け,各教科と道徳の時間の有機的連鎖についての研究開発に取り組んでいるところです。その研究の一端を紹介しております,ご意見等いただければ幸いです。

 
平成19年度道徳教育生徒意識調査 3.18
生活意識調査 8.9    道徳意識調査 8.9

平成18年度の取り組み      平成17年度の取り組み

研究主題
心豊かで,活力に満ち,自ら考えよりよく生きようとする生徒の育成
〜全教育活動を通じて生徒の道徳性の育成をはかるために〜

研究主題


○各教科,特別活動及び総合的な学習などでの学習と道徳の時間の学習を互いに関連づけ,より効果的な指導をめざす。

○そのためにも全学年を見通した年間計画を学年ごとに立案し計画的・発展的な指導をめざす。

○学校行事・生徒会活動・総合的な学習・地域の行事等の体験活動を補充,深化,統合していくかなめの時間に道徳の時間を位置づける。○生徒の実態把握につとめ,よりよく生きようとする生徒の願いに応える指導を心がけ,教師自らが生徒ともに考え,悩み,感動を共有しながら学んでいく姿勢でのぞむ。

○道徳教育推進者がすべての学級にTTとして授業づくり・指導に加わり授業の充実をはかる。

研究主題
国語
 国語科の目標である「伝えあう力を高めること」は,相手の立場や考えを尊重することや個性を認め合うことにつながる。題材となる文学作品に感動し,読みを深めていくことは,人としてのあるべき姿や,人を超える崇高なものに感動する豊かな感性を育てることにつながる。例えば「書く」領域においては,自分の思いを他の人に伝わるように書き,それを交流し人に伝える喜び,他の考えを知る面白さを感じることは,道徳教育と共通している。また,「読む」領域において,古典を題材として学習することは,我が国の文化や伝統に対する理解と関心を深めることにつながる。
社会
 社会科の目標である「社会認識を通して公民的資質を育成する」ことを達成することがそのまま道徳教育とつながっている。ともすれば「公民的資質の育成」が公民的分野に限定され,地理的分野や歴史的分野はその前段階の学習と位置づけられがちだが,地理・歴史の分野においても大切なねらいとしたい。そのためにも,意思決定の手法を授業に積極的に取り入れ実践していくことが必要である。つまり,生徒たちに論争に発展しているような様々な社会問題を調べさせ望ましい解決方法を考えさせることによって公民的資質を育成しようとするものであり,公民的資質の育成には有効な手段と認識されている
数学
 数学的な表現や処理の仕方を習得することで,自分の考え方を簡潔に明確に表現できるようになり,相手の正しい理解を得ることができる。このことは道徳教育の基本となる,豊かな人間関係を築くためのコミュニケーション能力の育成につながる。,また,事象を多面的にとらえ,予測し,筋道を立てて論理的に考える力を養うことは,偏らない見方と道徳的判断力の育成に役立つ。
理科
 理科の目標は「自然に対する関心を高め,目的意識を持って観察・実験などを行い,科学的に調べる能力や態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う」となっている。「自然に対する関心を高め」「自然の事物・現象についての理解を深め」ることは自然を愛し美しいものに感動する豊かな心を持つことにつながる。また「科学的に調べる能力と態度の育成」や「科学的な見方考え方」は道徳的判断力の育成と深く関わっている。
音楽
 音楽科の目標は「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎的な能力を伸ばし,豊かな情操を養う」となっている。「音楽を愛好する心情」や「音楽に対する感性」は,美しいものや崇高なものを尊重する心に通じており,このことにより,豊かな情操を養うことにつながる。この豊かな情操は,道徳的心情と結びつき,道徳性を支える基本的な資質として大切なものである。
美術
 心豊かな生徒を育てるためには道徳教育が必要である。そしてそれは全教育活動を通して行われるが,美術科としては,美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育て,心豊かな生活を創造していく意欲や態度を育てていく。感性を豊かにし,美術の基礎的能力を伸ばし,豊かな情操を養うことが,道徳性の基礎を養うことになると考え実践している。
保健体育
 保健体育科の目標である「明るく豊かな生活を営む態度を育てる」ことは,道徳教育の基本といえるものであり,運動や健康・安全についての知識や理解を深め,豊かな生活を創造していくための態度や実践力を育成していくことは,保健体育科と道徳教育の関連性を明確に表しているものといえる。また,運動における競争や共同の経験を通して公正な態度や,規則を守り協力して責任を果たす態度を育てることは,人間関係の在り方を学ぶとともに集団生活の向上を目指すものであり,道徳性の育成に欠くことのできないものである。
技術家庭
 技術・家庭科の目標は「生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を通して生活と技術の関わりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる」となっている。「進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる」には,自分自身の生活をしっかり見つめることは不可欠である。また他者との関わりを無視して生活をよりよいものにしていく工夫はできない。このように社会生活の中で自分と他者との関わり(社会・家庭・地域など)を豊かなものにしていく基礎となる学習内容が技術・家庭科には含まれている。
英語
 英語の学習を通じて,言語や文化に対する理解を深めることは,道徳の内容4−(10)「世界の中の日本人としての自覚」と深く関わりがある。また,実践的コミュニケーション能力の育成は豊かな人間関係を築いていく上で重要である。さらに,教科書等で扱われる様々な読み物の内容は,例えば「自然環境」「戦争と平和」「人間愛」「強い意志を持った生き方」など様々なテーマを持っており,道徳教育と関連づけて指導することにより,より考えを深めることができる。

  ホーム