美術科学習指導案
指導者 石崎 昭二
1 日       時   平成17年11月25日(金) 第6校時

2 学 年 ・ 学 級   第3学年B組 (男子15名 女子14名 計29名)

3 美術科と道徳教育

 心豊かな生徒を育てるためには,道徳教育が必要である。全教育活動を通して行われるが,美術科としては,美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育て,心豊かな生活を創造していく意欲や態度を育てる。感性を豊かにし,美術の基礎的能力を伸ばし,豊かな情操を養うことが,道徳性の基礎を養うことになると考え実践している。

4 題材名   自分を表す(自分だけの印をつくる)

5 題材について
○題材観
 本題材は,篆刻の工芸と持つ部分を彫刻する彫刻を一体化させた題材で,身近に置いて活用できるものとして作品づくりを行うものである。自分を表す自分だけのオリジナルな印をつくる学習では,名前から自分を見つめ,文字と印の役割について考えさせることができる。そして,石は時間をかけてじっくりと磨けば,驚くような美しさ,なめらかな手触りに仕上げることができる材料である。また,制作した作品は,日常生活の中で活用することによって,その作品に愛着がもてるようになることが期待できる題材である。

○生徒観
  本学級の生徒は美術の学習に落ち着いて取り組め,自分が頑張ったことや友達の作品の良 さなど感じたことがすなおに言える。しかし,深く追求するところはやや弱く,自分の表現 に自信が持てない生徒もおり,独創的な作品は少ない。また,人の話がしっかり聞けなかったり,冗談で友達や作品について荒っぽい発言をすることもある。工芸の学習については,2学年で木彫の経験があり,彫刻は,1学年で具象作品を紙粘土で制作した経験がある。ものを制作する学習には興味・関心を持って意欲的に取り組むことができ,作品を日常生活の中で活用している生徒も多い。

○指導観
  制作するうちに,生徒は石彫の可能性に気づいたり,何より自分自身の表現の可能性を再 発見したりすると考える。素直な気持ちでじっくりと石に向き合う楽しさを味わせ,最後ま で根気強く制作に取り組ませたい。きめ細かい指導をし,生徒のがんばりやよいところを見 つけ,ほめて伸ばしていきたい。

6 題材の目標

○主体的に取り組み,自分を見つめ,自分を表す印の制作をすることができる。
○豊かに発想し,構想する能力や自分の表現方法を創意工夫し創造的に表現することができる。

7 題材の評価規準

 美術への関心・意欲・態度
・ 落款を制作することへの関心を持ち,楽しく篆刻や彫刻活動に取り組み,自分らしくよりよい表現を目指し,試行錯誤をしつつ創意工夫しようとする。
 発想や構想の能力
・ 個性的なデザインや使いやすい形,美しい形を豊かに発想でき,材料の効果的な生かし方,使う楽しさなどを工夫して構想を練る。
 創造的な技能
・感性,造形感覚や美的感覚などをはたらかせ,石や印刀,金切りのこ,やすり等を効果的に生かして美しく創造的に表現する。
 鑑賞の能力
・自他の作品から発想豊かで,石の材料を生かした表現を見いだし,よさや美しさなどを感じ取り,味わったり肯定的に批評し合う。

 8 指導と評価の計画 (全11時間)

     学習活動(時数)

評 価 の 観 点

評 価 規 準

 評価方法

 

 

 

 

・落款の制作とともに石材の彫刻を行うことを知り,印面のアイデアスケッチと彫刻のデッサンをする。(3時間)

 

 

 

 

 

 

・篆刻や彫刻について理解でき,自分について考え,心がはずみまじめに学習に取り組もうとする。 

・落款,篆書・篆刻の枠から外れ,自由な発想で,世界にひとつ,自分だけのこだわり印のデザインができる。

 授業中の  観察

 ワークシ  ート

 作品

 

・デザインを印面に転写し彫る。(3時間)   ・捺印する。         

 

 

 

 

 

・自分らしくよりよい表現を目指し試行錯誤をしつつ創意工夫している。

・感性を働かせ,石の特性を生かした表現方法を創意工夫し,美しく表現できる。

 授業中の  観察

 作品   

・石材にデッサンをもとに形をかきいれ,彫る。
(4時間) 本時 4/4

 

 

 

 

・感性を働かせ,石の特性を生かした表現方法を創意工夫している。

・印刀,金切りのこ,やすり等を効果的に生かして美しく創造的に表現している。

 授業中の  観察

 作品

・鑑賞・まとめをする。   (1時間)

 

 

 

・自他の作品を鑑賞し,表現の工夫やよさなどを感じ取り,味わったり肯定的に批評し合ったりしている。

 授業中の  観察

 ワークシ  ート    作品   


9 本時の展開

(1) 本時の目標
 材料の特性を生かしながら,印刀,金切りのこ,ヤスリの使い方を工夫し,創造的に表現することができる。

(2) 観点別評価規準
・感性を働かせ,石の特性を生かした表現方法を創意工夫している。(発想や構想の能力)
・自分らしいよりよい表現を目指し,印刀,金切りのこ,ヤスリ等を効果的に生かして表現している。(創造的な技能)

(3) 準備物
石材 印刀 金切りのこ ヤスリ 電動ドリル

(4) 学習の展開

 

学習活動

指導上の留意点

評価規準

 評価方法

 

導入

 

・前時の学習を振り返る。
・本時の学習目標を確認する。

・彫刻することへの関心を持たせ,本時のねらいにつなげる。

・楽しく彫刻に取り組み,よさや美しさを感じとることができる。

 授業中の  観察

 発言内容

 

 

 

 展開

・石を彫る。

・材料や用具を効果的に生かして美しく創造的に表現させる。

・他の生徒の表現方法で良いと思われるところは取り入れさせる。

・感性を働かせ,石の特性を生かした表現方法を創意工夫している。

・自分らしくよりよい表現を目指し,印刀,金切りのこ,ヤスリ等を効果的に生かして表現している。

 授業中の観察

 作品

 

 

 

まとめ

・鑑賞し,片づけをする。

・自他の表現の良さを味わい肯定的に評価し合い,後の制作活動への意欲を高めさせる。

・自他の作品から発想豊かで,石の材料を生かした表現を見いだすことができる。