「道徳の時間」学習指導案
指導者 金 本 康 司
渡 川 一 徳
1.日 時 平成17年 11月 25日(金) 第5校時
2.学 年 第2学年C組 (男子14名 女子19名 計33名)
3.主題名 真の友情 2−(3)
4.ねらい
人間の自己中心的な考え方や心の弱さを乗り越えた,「ライバル」という関係のなかにある,お互いを認めあい高めあう友情を確かなものに育てていく態度を養う。
5.資料名 世界水泳選手権モントリオール2005より(自作資料)
6.主題設定の理由
(1)主題観
思春期における友情の育み方は,これから後に望ましい人間関係を築いていくための基礎となっていくものである。しかしながら,信頼関係を築く前に,損得勘定に支配された自己中心的な考え方に陥り,自分の感情や要求を相手にぶつけるだけの接し方になったり,傷つくことを恐れてお互いに自分をぶつけ合うことができない場合も多く,それではお互いに信頼を置くまでに至らない。ここでは,友人に対する信頼や尊敬を大切にし,自分自身を高めていこうとする態度を学び,相互に理解しあうことの大切さについて考えさせたい。
(2)生徒観
中学生の時期は,社会性が発達するなかで,交友関係の広がりや深まりが起きてくる時期である。そのなかで,同世代によき理解者を求めたり,心の底から打ち明けて話せる友達を得たいと願ったりする気持ちが高まってくる。しかし,自我が確立されていないために,相手の個性を受け止めることが難しく,自分も傷つくことを恐れるあまり,深い人間関係を結ぼうとしないことも多い。また,自分本位にものを考えて,相手の立場や相手の気持ちを,本当に理解するところまでにはいたらない。
部活動や学級活動などの日常の学校生活や様々な行事などを通して,お互いを理解し,高めあっていく気持ちや態度を大切にしてきたが,積極的に自分自身の能力や考えを発揮し,周囲と新しい人間関係を築こうと変容していく生徒は少なく,ちょっとしたことから仲たがいをしてしまったり,固定化された人間関係に留まっている生徒も多い。
(3)指導観
日常の様々な場面での人間関係はあるものの,「友情」というべき関係を築いている生活は少なく,表面上の付き合いに終始している場合も多い。また,「ライバル」という存在を意識していても,その根底にある尊敬や信頼関係などの絆を感じながら,自分と相手の存在や関係を大切にしているまでには至っていない。自分自身の考え方や行動のあり方を考えるとともに,日頃の相手や周囲に対する人間関係の在り方を考えさせ友情の尊さを学ばせたい。
7.準備物
写真 フラッシュカード 資料 ワークシート
8.指導過程
学習活動
発問と生徒の反応
T1
T2
留意点
導
入
@自分の友人やその関係について考える。
○今,自分にはどんな友人がいるか。
○友人とはどんな関係か。
○うまく付き合いが進んでいるか。
・部活の友人 ・学級の友人 ・幼なじみ
・親友 ・ライバル発問
支援
○友だちの種類,親密度,親友の有無,などについて,自由に意見を出させる。
○ライバルという関係が出てくれば軽く押さえをしておく。展開
A写真を見て,2人の関係を振り返る。
B資料を読んで,今村選手の人間像を考える。
Cライバルという関係について考える。
D自分たちの生活を反省し話し合う。○世界水泳選手権を見た感想は。
・レポートを書いた。
・日本選手が活躍した。活躍できなかった。
○この水泳の選手たちを知っているか。
・平泳ぎの選手だ。
・銅メダルをとった。
○今日のテーマが「ライバル」であり,今村選手に焦点をあてて学習することを伝える。
○今村選手がここまで努力できた原因は何か。
・メダルがとりたかったから。
・北島選手に負けたくなかったから。
・北島選手の分まで頑張ろうと思ったから。
・北島選手がいたから。
○自分に「ライバル」と呼べる存在がいるか。
○「ライバル」とはどういう対象であり,どんな関係のことか。
・絶対に負けたくない相手だ。
・ライバルがいるから頑張れる。
・自分を伸ばしてくれる。
◎今村選手の言葉から考えてみよう。
「僕は,康介の「大ファン」だ!」
○「 」のなかには何という言葉が入るか。
・ライバル ・目標 ・友達 ・親友
○「ファン」と「ライバル」という関係をどう考えるか。
・好きだから目標にできるということ。
・親友だから一緒に闘えるということ。
・お互いを認め合っているということ
◎本当の友情を育てていくためには,どのようにしていけばいいか。自分の考えをまとめる。
真の友情(友人)とは,「 」だ!
○「 」のなかに自分の意見を書き込もう。
・好きになる ・認め合う ・信じ合う
・高めあう
○班で意見を交流し,発表してみよう。
発問
発問
発問
発問
机間
指導
発問
発問
机間
指導支援
支援
支援
支援
机間
指導
支援
支援
机間
指導○2人の結果だけでなく,これまでの経緯やエピソードなども確認しながら進める。
○目標とする相手がいてこそ,自分の力を伸ばせることができたことを確認する。
○競争相手や敵対する関係など,一方的な狭い捉え方をしやすいことに気付かせるとともに,お互いに影響しあっている存在であることを確認する。
○憧れの存在や目標として努力を続けてきた,今村選手だからこそのコメントであることを押さえる。
○一見対峙する意味を持つ2つのキーワードを結ぶ,2人の信頼関係や友情のあり方について押さえる。
○自分自身を伸ばし,高めていくための友人関係や友情について,自分自身の行動や,友達への接し方についてまとめさせる。
○班で意見を交流させ,代表的なものをカードに書かせて発表させる。終末
Eまとめ
○自分の体験を通して考えたことや感じたことを生徒に伝える。
発問
支援