音楽科学習指導案

指導者 中山 康則

1 日   時  平成171125日(金)

2 学年・学級  2年B組(男子14名 女子19名 計33名)

3 音楽科と道徳教育

 音楽科においては,「表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎的な能力を伸ばし,豊かな情操を養う。」となっている。
  音楽を愛好する心情や音楽に対する感性は,美しいものや崇高なものを尊重する心に通じており,このことにより,豊かな情操を養うことにつながる。この豊かな情操は,道徳的心情と結びつき,道徳性を支える基本的な資質として大切なものである。

4 題材名

    社会と音楽

5 題材設定の理由

【題材観】

本題材は,学習指導要領 B鑑賞 エ「音楽をその背景となる文化・歴史や他の芸術との関わりなどから総合的に理解して聴くこと。」を受けて,音楽と生活についての理解をいっそう深めることをねらいとしている。
  そこで本題材を設定し,私たちの暮らしの中に音楽がしっかりと根付いており,音楽によって生活が豊になっていることに気づかせ,音楽をより身近に感じさせたい。また,それぞれの音楽の特徴や特質を,諸要素や曲想などから感じ取らせたい。

 【生徒観】

現代の中学生全般に言えることではあるが,音楽を聴いて楽しむことが好きな生徒が多い。本学級の生徒も同じことがいえる。音楽の授業前には,個人的にピアノ等を習っている生徒が演奏し,他の生徒は聴き入る場面もある。また,ピアノやキーボードなどで歌謡曲や小学校等で習った曲などを「さぐり弾き」で演奏し,それを伴奏に大きな声で歌ったりして,音楽を楽しんでいる生徒も多い。授業中も,音楽を楽しむ気持ちが強く,教師の助言に素直に耳を傾け,積極的に表現しようとする生徒が多い。合唱コンクール等の練習には,クラス全員で取り組むことができている。

  しかし,小学校での音楽の授業時間が少ないこともあり,音楽を演奏する経験のあまりない生徒は,音楽記号などの知識が少なく,楽譜に興味を示さない傾向がある。
  また,大部分の中学生は私たちの暮らしの中に音楽がしっかりと根付いていることに気づかぬままに生活を送っていいように見える。生活の中で耳にしている音楽を水や空気のようにとらえ,生活を送っており,学校で学ぶ音楽だけを特別なものとして認識している生徒が多い。つまり,『クラッシック音楽はいわゆる「教養」と呼ばれる産物で,自分の世界とは何の関係もない。』と思っているようである。

 【指導観】

指導にあたっては,まず,前時までに学習してきた「歓喜の歌」を歌うことにより,学級全員の気持ちを集中させたい。また,歓喜を歌い上げる音楽のすばらしさを味あわせ,多くの人に親しまれていることを想起させたい。

次に,暮らしの中にある曲を10曲用意し,多くの音楽が暮らしの中に使われていることに気づかせたい。1時限50分の授業の中で,できるだけ多くの曲を聴かせたいので,それぞれの曲の良く知られているメロディーを事前に編集して準備しておきたい。

まず,曲を聴く前に曲名やヒントからメロディーを想像させたい。そして実際に曲を聴き,どのような場面で使われているか気づかせたい。そのとき,鑑賞プリントに原曲の曲名を知っていたか知らなかったか記述させることにより,今までどれだけ暮らしの中にある曲を意識していたかに気づかせたい。

10曲聴いた後,「結婚行進曲(ワーグナー)」「見よ,勇者は帰る」を使われている場面を想像しながらリコーダーで演奏させたい。

中学校を卒業しても,生涯にわたり音楽を楽しむことができるようにするために,必要なソルフェージュの能力を高めることを絶えず念頭に置きながら授業を展開するようにしている。具体的には,できるだけたくさんの曲を学習し,たくさんの楽譜にふれ,合唱では,自分の歌うパートを確認し,楽譜の特徴を考えるなどアナリーゼすることをたいせつにしている。また,リコーダー演奏や階名唱など,自分で楽譜を読む時間をできるだけ多く取るようにしている。本時も少ない時間ではあるがリコーダーを演奏するとき,楽譜に触れさせたい

 観点別評価規準

ア 音楽への意欲・関心

多様な音楽に興味・関心を持っている。

イ 音楽的な感受や表現の工夫

多様な音楽が社会のどのような場面で,どのように工夫されて使われているか気付くことができる。

ウ 表現の技能

生活の中の音楽を歌唱や器楽で表現することができる。

エ 鑑賞の能力

生活の中の音楽に興味を持ち,その音楽の総合的な理解を深め,幅広く鑑賞することができる。

7 指導と評価の計画(全 3 時間)

学習内容(時数)

                 評        価

評 価 規 準

評 価 方 法

交響曲第9

【ドイツ語で歌おう】

 

 

 

歌詞をしっかり発音しようとしている。

行動観察

【歌詞】

歌詞の意味を理解しよう

 

 

 

日本語詩と訳詩の違いに注目しながら意味を理解しようとしている。

行動観察

【歌唱】

Sopパートを原語で歌おう

 

 

 

できるだけ原曲(ドイツ語)の響きを出そうとしているか

行動観察

【リコーダー】

「見よ,勇者は帰る」

【リコーダー】

「結婚行進曲」(ワーグナー)

 

 

 

リズム・音楽記号に気をつけながら演奏しているか

行動観察

【鑑賞2】

2つの結婚行進曲と

「越天楽」

3つの曲のちがいを感じながらどのような場面で音楽が流れているか想像しながら鑑賞できる

鑑賞プリント

3(本時)

【鑑賞3】

暮らしの中の音楽

曲名やヒントからメロディーを想像することができ,どのような場面で使われているか気付く。

鑑賞プリント

8 本時の目標

【鑑賞】
   生活の中で使われている音楽の原曲を知ろう

9 本時の展開

学習活動 指導上の留意事項 評価規準 評価方法
前時までの確認をする 【社会と音楽】で学習してきたことを想起させる    
歓喜の歌 歌詞を音読し,読みを確認させるCDにあわせてSopパートを斉唱する。 全員の気持ちが集中できているか。 観察
生活の中で使われている音楽の原曲を知ろう 1曲1曲確認しながら鑑賞プリント(別紙)を記入させる。    観察
1.曲名だけでわかった生徒にメロディーを歌う形で発表させる。 A:曲名やヒントからメロディーが想像できる。
B:発表者のメロディーから曲を想像できる。
2.ヒントを与えることでわかった生徒にメロディーを歌う形で発表させる。
(すべてのシラブル・口笛可) 
 
A:今日学習した曲以外の,暮らしの中で使われている曲に関心を持つことができた。 プリント提出
時間があれば自分の得点を計算させ,感想を書かせる。 
B:多くの音楽が暮らしの中で使われていること気付くことができた。
リコーダーで演奏する
「結婚行進曲」
「見よ,勇者は帰る」
使われている場面を想像しながら演奏させる。    
本時のまとめ 本時の学習曲以外にも,暮らしの中に多くの音楽が使われていることに気付かせる。