第3分科会

テーマ  真理や真実を求め,善悪を自ら判断し,よりよく生きようとする態度を育てるために
「甲子園」        集団生活の向上 4−(1)
授業者:藤野賢二、中田智志
指導助言者:播磨寛宗 指導主事(呉市教育委員会学校安全課)
司会者:今崎(呉市教育委員会学校教育課)
記録者:安瀬美帆子

T1藤野:授業を終えての成果と課題

・担当したクラス(3A)は、元気がよく意見の活発に出るクラスである。他のクラス(3B)で同授業をおこなったところ、様々な見解の意見が聞かれた。A組ではもっと活発に意見が分かれるかと思われたが、朝から研究授業にむけて気負いが感じられ、授業ではあまり両端に意見がわかれなく、真ん中の考えに集中した。
・私が意図していた「集団だけがよければよいという利己的な仲間意識を克服し」というところまで意識をもっていく。「連帯責任」から抜け出させるのが私の目的だったが、本日はそこまでいかなかったのが残念である。クラブを引退した彼らにとって、部活のときは頑張っていた事を、引退してしまったらそれでよしではない。というとろで感じて欲しかった。
・授業後のプリントを見ますと、「自分自身を高める事が大切だ」などとあった。
自分の教材は、今までもプロジェクタ−を使うなど、視覚的に訴えることを意識して行ってきた。また、ネームプレートの活用で黒板に今の自分に立場をおかせることで、自分の気持ちをハードで伝えさせる工夫をしてきた。

T2中田:授業を終えての成果と課題

 野球部、バレー部のキャプテンもいたこともあり、各部活が色々と考えていた。部活停止を経験してる彼らは、自分に置き換え、その経験を生かして彼らの思いというものは引き出せたが、うまくまとめられなかったと思う。

司会者:
・目的までうまくいけなかった。ネームプレートの活用、プロジェクターの活用で視覚的に訴える工夫を考えていた事。・クラブ活動を通してという体験活動を平素から教材に取り入れているという事でした。何か質問はありますか。

質問:
 私が授業を見た時は、出場辞退かどうするかというのをネームプレートで黒板に自分の意見を貼っている場面でした。自分の意見をぱっと出している姿を見て、この4月からの短期間でよくここまで定着させているな、平素からやっているなということが感じられました。また子どもに受け入れやすいテーマであったと思います。生徒は時に教師が思っている以上の様々な考えをもっているのではないかと思うので、道徳というのは3年生ぐらいという時期が一番やってみて面白い時期ではないかと思う。
司会:
 平素からネームプレートを活用しているんですか。

藤野:
 ワークシートだけを書かせると、まだ考え中など、自分の意見を書けない生徒が多いんです。だからこの様な取り組みをしました。
質問:
 小学校でも道徳でネームプレートの活用をしますが、YESかNOのどちらかしか行わせていません。今回授業を拝見して、貼った距離(1p)のちがいという微妙な気持ちまで表せていて、100%の中の微妙なところが大事なんだと感じました。
 また、今日の授業は竹原君がよく発言し、意見を引っ張っていましたが、自分の体験を語って、俺が悪いことしたら連帯責任を取るけど、最後の感想はどのようなことをかれは書いたんですか。よければ教えて下さい。
藤野:
 部全体として責任を取る。自分だったら出してやりたい。でも監督だったら全体を見なきゃいけないから辞退かなと、立場をどこにおくかで最後の意見は違いました。
司会者:
 せっかく本日は吉浦小からもいらしていますから、ぜひ意見をお願いします。

吉浦小:
 小学校でもネームプレートを活用しています。プロジェクターも写真だけでなく、動画で使ってみるなど、今年から取り組んでいます。

吉浦小:
 吉浦小から中学生へと成長していてうれしく思いました。生徒の机上にあった道徳ファイルを見て、今までの授業の積み上げを感じました。ワークシートには理由を書くところがあり、奥深くまで取り組んでいるなと思いました。

質問:
 授業後の生徒の感想を是非聞かせてください。

藤野:
 自分が監督なら出場させたい。連帯は大事である。が大半でした。

終わりのビデオを用意していたんですが、時間が220秒あり、用意していたので時間があまりなかったですが見せたくて、見せたので、書く時間が取れなくていつもより感想が少なく、多い生徒で6、7行しかない状態です。

司会者:
 ただいま、小学校の先生に意見を求めたのは、呉市でも小中連携ということに重点をおいていまして、子どもを
9年間で育てる事が大事と考えているからです。これからも道徳を機会に意見交流していただきたいと思います。

中田:
 ねらっていたところまで時間的にも流れでも到達する事はできなかったが、それは、違う部活で考え方も違う生徒の集まりで意見がぶつかり、まとまりにくくなった原因だったのではないかと感じます。

司会者:
 こどもがネームプレートを動かしているとき、誰の立場でかんがえていたのか、先生はどのようにお考えですか。

藤野:
 一回目は第三者的な立場でかわいそうだから出場させてやるが多かったと思う。
 
 二回目は、自分が監督だったらと全体をみて感じました。

 どの立場に立たせるかで子どもの意見は違ってくると思った。

播磨指導主事:
 道徳を真正面から受け取っていて、非常にふだんからいい授業をされているなと感じました。また、子供達は道徳は楽しい、自分の為になるとおもっている。これがなぜできているか。それは

   ネームプレートの活用で自分の考えが明確になる。資料を提示したあと、いかに自分の価値観を高めていくかが大事である。
○ 考えやすい資料である。
○ 視覚にうったえる。            ができているからである。

しかし資料はもう少し子どもに入っていくことが大事である。
1年生のことで3年生が出られないのはどうか」という発言があった。しかし、資料の中
1年生だけでなく、1年も3年もかかわっているので監督が隠した。とある。だから、資料では出場すべきかどうかということはこちらでは判断できない。サッカーの全国大会出場をとったチームがあれはオフサイドだった。チームは出場したがエースとして本人はでなかった。資料を生かす。自分達がいかに他者によりそう。監督はどうして真実を隠したのか。そこを考えさせるのも大切だったのではないか。

司会者:以上で時間になりましたので分科会を終わります。

    授業者のお二人、お疲れ様でした。