第2分科会
◎テーマ 日常的な学校生活(部活動・学級活動)との関連の中で「道徳の時間」を充実させていくために
「北島選手と今村選手」―世界水泳2005よりー 真の友情 2−(3)
授業者 金本康司,渡川一徳
指導助言者 呉・賀茂教育事務所教育指導課
小 川 聡 指導主事
記録者 正野レイコ
1 授業を終えて
○生徒は自分の思いは強く言うが,相手の立場や気持ちをなかなか理解できない。また,最近はだいぶ発表できるようになってきたが,仲間の信頼関係がないため,なかなか手を挙げて発表することができない。それで「ライバルとファン」について子ども達の中にある心を引き出してから資料を基に展開し,“本当に望ましい人間関係とは何か”考えさせた。
○生徒は相手を思いやる言動がとりにくく,他の生徒に自分の思いを伝えることができない。そして,普段の生活で「真の友情」とはということについて閑雅ながら生活している生徒は少ない。これから自分の思いをうまく表現でき,仲間の姿を尊重しながら生活できるようになればと思う。
2 感想及び質問
●最後の班討議がよい意見が出てすばらしかった。後で,掲示してみるのも,日常生活に生かすのによいと思う。
●ねらいをかみくだいてコンパクトに
○自分の考えを押しつけようとする。そしてそれを聞いてくれるのが友達だと思っている。また,下を見て自分を満足させるところがある。形に見えるもの(行事など)はがんばれるが,授業掃除などは今ひとつである。もっとお互いに高めあっていかなければならない。
●指導過程の中心発問は何か。
○“「ファンとライバル」をどう結びつけるか”。
この言葉による衝撃,ギャップを感じて欲しい。自己中心的な考えで接するのではなく,お互いを高めあうことが大切だということに気づいて欲しい。
●教師の感動を資料にしていくのはすばらしい。
●T1T2の意気がよく合っていた
3 助言者より
・“友達”に対して生徒はしっかり考えていた。また,自分の生活と関連ある発言をしたので先生のねらいに到達したといえるのではないか。
・普段から生徒の実態をしっかり把握し,日常生活と関連させていた。
・最初と最後で,生徒の“友達”に対する考え方が変わっていた。
・教師自らが感動できる自作資料といえる。
・本来の低いところからの展開でなく,敵対をしっかり引き出しながら資料を提示したので,子ども達がギャップとしてしっかりとらえることができた。
(授業がさらに充実するために)
・順番に当てるのではなく,意図的に指名していくと良い。また,机間指導の中で,子どもの意見をしっかりとらえることが大切である。
・生徒の行動に教師が敏感になること。道徳的な行為もそうでない行為もしっかり見て記憶しておき,その行為がなぜいいのか,なぜ悪いのか道徳の授業でしっかり考えさせていくことが必要。