第1分科会

◎ テーマ 地域の人々の願いや思いをベースにしながら「道徳の時間」を充実させていくために

「花にこめられた思い。」     公徳心 4−(3)

授業者     織田 聖子,平田 洋一
指導助言者  広島県教育委員会指導第三課
         亀井伸幸指導主事
記録者     中島伸枝          
1 授業者より

@ 題材が「生け花」でゲストティーチャーを迎えての授業だったので,子どもたちがどの程度花をうけとめるかがポイントだった。話もよく聞いていたし,花をそれぞれが受け止めていた。
A 花にこめられた思い・・放送部ビデオのすじ・・が本日の授業の流れの全てであるが,部分的に見せることで自ら考えるところを作った。身近なこと,先輩の姿等で入り込みやすい題材であったようだ。
B 意見を引き上げる策として発問を考えた。積極的に発表した。中身を深める討議まではなかなかいっていない。
(以上  平田教諭より)
C 使用した放送部ビデオは,道徳用に作ったものではないが,生徒の発見や不思議に思うことを題材に制作したところ,愛校心や地域との関わりという観点で道徳教材につかえるものになった。
D 生徒の様子としては,日頃から落ち着きに欠ける面がある。が,プレゼンやビデオのときは注目する。
意見を書かせると書けていたりするが,発表はあまりできない。全員の意見を授業で出させるようにするために,ネームプレートを使って意思表示する方法も取り入れている。
今日の「花にこめられた思い」は届いたように思う。『今後の生活で生かしたい』とか『地域の人々のこと』を初めて知ったのではないか。
(以上  織田教諭より)

2 質疑応答
● 生き生きした生徒の姿,意見が止まるところがないのに感心した。
● TTの役割分担で気をつけていることは?
● 地域をテーマにしたオリジナル資料が年間計画にいちづいているが,その時の考え方は?
○ T2は全クラスの道徳をする。分担は臨機応変。大まかな役割(範読・質問)はあるが,クラスの状況やT1の先生のスタイルにあわせて授業を進めている。T2のメリットは,生徒の様子をじっと見ていることができること。
地域をテーマにできるのは,基本は総合での協力体制にある。普段から栽培等の関係で,よく協力してくださっている。保護者・民生委員等相談にすぐのっていただける。
○教材については,放送部のビデオの充実もおおきい。読み物教材が基本にあるが,生徒の実態を見て計画変更をし,投げ入れで扱ったものもある。生徒を引きつけ積極的に取り組めるように作成した。来年はバリエーションのある計画をたてていきたい。

● 地域という枠をとって年間計画をたてているところは注目すべきところ。
● ゲストティーチャーを迎える授業者の意図は?打ち合わせはどのへんまで?
○ 1年はゲストティーチャーは2度目。生の声で答えていただく。ゲストティーチャーには,授業のテーマ・質問等は伝えるが,いろいろな時間に来校されている方なので,普段のつながりで話を深めておくことができる。

3 指導助言より
・ 今回の授業テーマは「公徳心」。公の場としての学校・教室の位置づけをもっとしておく方が良かった。
・ 「思いシリーズ」が年間のものとして計画的に意図的に作られているのがよい。
・ 「地域の人がどんな思いをこめて」という,思いを察しようとする発問が良かった。
・ 「心はみえるか」という投げかけがあったが,授業の前半で示しておくと,花を生けている方の心を見ようとする姿につながったのではないか。また,「心は見なければいけないものだ」という気持ちにもっていけたのではないか。
・ ゲストティーチャーは,想像や資料では伝わりきらないものを,本物の言葉で伝えその空白をうめることができる。ゲストティーチャーの願いを,授業後のSHR等で再度繰り返して伝えていくという授業後のフォローも大事。(授業者の願いとあわせて語る)
・ 先生の意識として,授業だけではなく,その後どういう言葉をかけていくかも重要。