平成２２年度研究推進計画

１　研究主題，研究内容・方法等について


①研究主題
　豊かな心と思考力・表現力を高める教育の創造　―義務教育９年間を通して―

②主題設定の理由
　現在，自制心や規範意識の希薄化，生活習慣の確立が不十分であるなど，心と体の状況にかかわる課題は少なくない。また，自分に自信がある子どもの割合が低いことや，学習に対して無気力であったり，不安を感じたりしている子どもが増えていることも指摘されている。本校生徒は，人とのかかわりが少ないため，自分の気持ちを相手に伝えたり，相手の心情を思いやったりするなどの豊かな人間関係を築いていく機会が少ない。また，自分に対して，自信を持つことができず，積極的に行動ができにくかったり，学習や将来の生活に対して無気力であったり不安を感じたりしている等の実態がある。これらの課題を解決していくためには，郷土や伝統文化を愛する心，人を思いやる心など豊かな心の育成が不可欠である。

学習状況においては，ほとんどの生徒が授業にまじめに取組，与えられた課題にも熱心に取り組むことができる。しかし，課題が難しいものであると取組意欲が減退したり，課題が与えられないと進んで学習に取り組めなかったりと，積極的に学習に取り組んでいるとは言えない状況にあった。そのため学年が上がっても学習時間が増えず，家庭等での自主的な学習習慣がなかなか定着しないのが現状である。
そこで，確かな学力の育成をしていくため効果的な学習方法や自分の考えを表現する喜びを教えることで，学習意欲の向上が図られると考えた。そのために授業者が生徒の思考力と表現力を育てる授業を工夫する必要があると考え，本研究主題を設定した。

③研究仮説
　義務教育９年間において，発達の連続性や家庭・地域との連携を重視し，豊かな心と思考力・表現力を高める教育を創造していくことによって，豊かな人間性と自立心をもった生徒を育成していくことができるであろう。

④研究内容
　 （１）確かな学力の育成
　　　伝統文化学習を充実させる中で，学習意欲を喚起させ，基礎・基本の学力の定着と指導力の向上

ア　学習規律の確立
イ　ひろしま学びのサイクルを生かした思考力・表現力を高める授業の創造
ウ　ことばの教育の充実
エ　家庭連携による家庭学習の習慣化の徹底　

（２）豊かな心の育成
豊かな心を育てる道徳教育の推進と積極的生徒指導の推進を図る中で明るく落ち着いた活力のある学校づくり

ア　小中９年間を見通した道徳教育
イ　積極的生徒指導の推進
ウ　保護者・地域と連携した生徒指導体制

（３）健やかな体の育成
健康・体力づくりの推進

ア　主として給食指導を通しての食育の推進
イ　体育の授業・部活動等を通しての体力つくり
ウ　保健・安全教育の充実

⑤検証の指標

　　 (１） ア　学力テストで標準を上回る
　　　　　 イ　和文化教材を中心とした授業研究一人１回実施
　　　　　 ウ　学習に関するアンケート

　　 (２） ア　道徳の授業研究を年３回実施
　　　　　　　　イ　　小中一貫した教育計画の作成と｢学びの基本　十訓｣の指導
　　　　　 ウ　小中合同研修会･授業研究･児童生徒の交流･地域公開の計画，実施
　　　　　　　　エ　　保護者や地域を対象とした懇談会の実施

　　 (３） ア　　生活実態調査の実施
　　　　　　　 イ　　体力テスト実施

２　検証計画

（１）思考力・表現力の基礎となる「学び方」，それを培う「教材開発」と捉え，教材開発を通して学力がつく学び方を身　　　に付けさせ，思考力・表現力を高める指導を行い，指導と評価の一体化を図る。

（２）生徒の道徳性の変容を，学年始めと学年末に生徒を対象としたアンケートの比較，授業後アンケートや観察により把　　　握する。
　 定期的に，生徒指導委員会を開催し，生徒の状況を把握し改善計画を作成していく。

（３）体力テストを実施し，測定結果を分析・考察し体力づくりや健康づくりに活用していく。

３　校内研修計画

４　研究公開の予定について