一 |
日招きに急いだ いにしえの坂
息を切らして ランニングの足とめ
思わず笑う
桜色に染まった顔 見あわせて
渦に櫓をこぐ 恵みの瀬戸は燃え
悩み打ち明け 涙の肩抱きあって
立ち尽くす
夕映えの紅に 言葉失い
ああ 匂いたつ 色の艶やかさ
ああ 輝ける 海のきらめき |
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二 |
空襲におびえた 戦の空を
意地はったいさかいに 心閉ざして
一人見上げる
友情なんかいらないと つぶやいて
見知らぬ笑顔に 出会った町かど
心通ったうれしさに 駆けだして
待ちぶせる
追う友を驚かそうと 雪つかみ
ああ 突きぬける 空の深さよ
ああ 弾ませる 息の温かさ |
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三 |
母が生まれた 父が生まれた
今は亡い 祖父が生まれた
祖母が生まれた
わたしが生まれたこの町で
ああ
わたしは友と一緒に生きていこう
母が生まれた 父が生まれた
今は亡い 祖父が生まれた
祖母が生まれた
わたしが生まれたこの町で
ああ
わたしは友と一緒に生きていこう |
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