平成30年度を迎えるにあたって

呉市立小中一貫教育校広南学園

広南中学校長  若 本  正

  グルーバル化し,様々な危機を内包しながら激変する世界。そして,その中で人口減少社会というかつてない時代を迎える日本。6年前に,小坪小学校と長浜小学校が統合され,施設一体型小中一貫教育校「広南学園」が誕生したのも,その潮流の中は必然だったのかもしれません。

 広島県は,この時代の変化を見据え,未来を担う人材の育成を行うため「学びの変革」アクションプランを策定しました。そして,本校は,平成27年度にそのパイロット校の指定を受けることとなりました。時代の激変の潮流の中で生まれた「広南学園」にとってこれは,天命といえるかもしれません。

なぜなら,本校が長浜中時代から受けつがれてきた校訓「不かく尋ね高く志す」が掲げる「『不』の理由を深く探求し,それをくつがえす新しい価値をつくりだす高い志をもつ」という生き方は,まさに,今の世の中が求めている生き方だからです。

また,本校は,4年前から総合的な学習の時間では,「温故挑新」という合い言葉のもと,故里を温め,常に新しいものを協働して作り出すことに挑戦してきました。

1年生は「落語」を通して,自分の中に新しい価値を生み出す経験を,2年生は,「起業」を通して,協働して会社を創る経験を,そして3年生は,「未来貢献」をテーマに創作劇をつくり,「広南劇場」の中で披露する経験など,学校が地域の文化の拠点となり,地域の活性化にどれだけ貢献できるかに挑戦してきました。これらの経験が,イノベーションの原体験となって,将来の子供達の挑戦をささえてくれる力になると私たちは考えています。
 これまでのの成果を踏まえ、学園のの教育目標も昨年度より次のように変更しました。

 「未来を創る」
 誇りをもって故里を語り、受け継ぎ、発展を担う志と力を育てる教育の創造

これが広南学園の教育目標です。

何もしなければ,大切なものがひとつひとつ失われていく。この広南学園さえも。大切なものを守り,繁栄させていく使命を自覚し,明るい未来を創るためには,何を今,すべきか。

  私たちは,教職員で,こども達や,そして保護者や地域の方とも,そんな議論をしながら,児童生徒が「世界一と誇れる『広南中学校』そして「広南学園」を協働してつくりあげていきたいと考えています。
 平成30年度、私達は、新採の先生を含め、新しい仲間を迎えました。そこで今年度は「つなぐ☆磨く」をキーワードに持続可能な「さらなる学びの変革」へむけ、新陳代謝を進めていきたいと考えています。
引き続き、応援のほどよろしくお願いします。